公開日:2026年9月17日|最終更新:2026年11月1日|執筆:吉敷(成績UPラボ代表・塾長)
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1次は30問・50分・電卓なしで、合格の目安はおよそ21問(全問題の70%程度)です。難しい問題より、符号・かっこ・通分の取りこぼしを減らすほうが合格に近づきます。
- 小6の分数・速さ、中1の正負の数と方程式、中2の文字式と連立方程式が中心。関数・図形・確率の小問も出る
- ミスが多いのは「−4²」「かっこの前のマイナス」「分子のかっこ」「小数・分数の方程式」「等式の変形」
- 見直しは「符号→かっこ→確かめ→答えの形→単位」の順に固定する
- 時間配分は1問1分半+見直し5分が本ブログの目安
1次(計算技能検定)の形式
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 問題数・時間 | 30問・50分 |
| 電卓 | 使えない(2次は使える) |
| 合格基準 | 全問題の70%程度(30問に当てはめた目安はおよそ21問) |
| 範囲 | 中学校2年程度。出題の割合は中2・中1・小6が各30%、特有問題10%(公式は「おおよその目安」) |
1次の時間は50分です。60分は2次の時間なので、取り違えないようにしましょう。「21問」は公式の基準を問題数に当てはめた本ブログの目安で、公式は「70%程度」としか書いていません。合格点の考え方や安全圏は数検4級の合格点の記事でくわしく説明しています。
1次だけ合格した場合は計算技能検定合格証が発行され、次回以降は1次の免除を申請して2次だけを受検できます(検定料は1,000円引き)。とはいえ、はじめての受検では1次・2次の両方を受けるので、両方そろえて合格するのが目標です。
1次は答えだけを書く形式なので、途中の考え方は点になりません。1か所の符号ミスで、その問題はまるごと×になります。だからこそ、難しい問題を解く力より「取れる問題を落とさない力」が合否を分けます。
よく出る計算の種類
公式の検定の内容をもとに、1次で出やすい計算を学年別に整理すると次のようになります。
| 学年 | 計算の種類 | 気をつけること |
|---|---|---|
| 小6 | 分数・小数の四則混合計算、比を簡単にする、角柱の体積、速さ、縮尺 | 計算の順序、時間や長さの単位の直し |
| 中1 | 正負の数(累乗・分数)、一次式、一次方程式、比例式、式の値、比例・反比例、おうぎ形、相対度数 | 符号、かっこ、負の数の代入 |
| 中2 | 多項式の加減、分数をふくむ式、単項式の乗除、連立方程式、等式の変形、一次関数、多角形の角、平行線と角、確率、四分位範囲 | 分子のかっこ、文字の約分、確かめ算 |
成績UPラボの4級模試では、1次30問のうち前半14問を計算・方程式、後半16問を比・体積・速さ・関数・図形・確率などの小問にしています。学年では小6が7問、中1が11問、中2が12問です。1次は「計算だけ」と思われがちですが、後半には文章で聞く小問も並びます。電卓なしで速さや体積を計算する練習もしておきましょう。
ミスが多い計算と防ぎ方(例題つき)
成績UPラボの4級模試の解説には、問題ごとに「つまずきポイント」を書いています。その中から、特に多いミスを数値を変えた例題にしました。
1. 累乗と符号(−42 と (−4)2)
模試では1次(3)に累乗の符号の問題を置いています。−42 は「4を2乗してから−をつける」ので −16、(−4)2 は 16 です。
例題(中1・正負の数)
−42−(−3)3÷9 を計算しなさい。
答えと解き方
−42=−16、(−3)3=−27。−16−(−27)÷9=−16−(−3)=−16+3=−13。答え −13。× −42=16 として 19 にするミスが多いです。
2. かっこの前のマイナス
かっこの前に−があるときは、かっこの中のすべての項の符号が変わります。
例題(中1・一次式)
5(x−2)−3(2x−3)を計算しなさい。
答えと解き方
5x−10−6x+9=−x−1。答え −x−1。× −3×(−3)を −9 にして −x−19 とするミスに注意。○ −3×(−3)=+9。
3. 分数の式は、分子をかっこでくくる
例題(中2・分数をふくむ式)
(3x+y)/4 −(x−2y)/3 を計算しなさい。
答えと解き方
分母を12にそろえて、{3(3x+y)−4(x−2y)}/12=(9x+3y−4x+8y)/12=(5x+11y)/12。答え 12分の(5x+11y)。分子をかっこでくくらずに引くと、−2y の符号を変え忘れて 12分の(5x−5y) のようになります。
4. 小数・分数の方程式
10倍する・分母をはらうときは、右辺もふくめたすべての項にかけます。
例題(中1・小数をふくむ方程式)
0.2x−0.6=0.5x+0.3 を解きなさい。
答えと解き方
両辺を10倍して 2x−6=5x+3。−3x=9、x=−3。答え x=−3。確かめ:左辺 0.2×(−3)−0.6=−1.2、右辺 0.5×(−3)+0.3=−1.2 で等しい。
例題(中1・分数をふくむ方程式)
(x+3)/2 =(2x−1)/5 を解きなさい。
答えと解き方
両辺に10をかけて 5(x+3)=2(2x−1)。5x+15=4x−2、x=−17。答え x=−17。分母をはらうとき、分子をかっこでくくらずに 5x+3 などとするミスに注意。
5. 連立方程式は代入して確かめる
例題(中2・連立方程式)
3x−2y=8、x+2y=0 を解きなさい。
答えと解き方
2つの式をたすと y が消えて 4x=8、x=2。x+2y=0 に代入して 2+2y=0、y=−1。答え x=2、y=−1。確かめ:3×2−2×(−1)=8、2+2×(−1)=0 で、2つの式とも成り立ちます。
6. 等式の変形
例題(中2・等式の変形)
等式 2x−5y=10 を、y について解きなさい。
答えと解き方
2x を移項して −5y=−2x+10。両辺を −5 でわって y=(2/5)x−2。答え y=5分の2x−2。× 両辺を −5 でわるとき、10 をわり忘れたり、符号を変え忘れたりしないこと。
7. 小6の速さ(時間の単位)
例題(小6・速さ)
時速54kmで1時間40分進むと、何km進みますか。
答えと解き方
40分は60分の3分の2なので、1時間40分=3分の5時間。54×5/3=90。答え 90km。× 1時間40分を「1.4時間」とすると 75.6km になってしまいます。
8. 関数・図形の小問
後半の小問では、公式の取り違えが失点の原因になります。反比例は「xy が一定」、多角形は「外角の和は360°」を使うと速く解けます。
例題(中1・反比例)
y は x に反比例し、x=2 のとき y=−9 です。x=−3 のときの y の値を求めなさい。
答えと解き方
反比例では xy が一定。xy=2×(−9)=−18。x=−3 のとき y=−18÷(−3)=6。答え y=6。× 比例と取り違えて y=−9/2×(−3)=27/2 としないこと。
例題(中2・多角形の角)
正十角形の1つの内角の大きさを求めなさい。
答えと解き方
外角の和は360°なので、1つの外角は 360°÷10=36°。内角は 180°−36°=144°。答え 144°。内角の和 180°×(10−2)=1440° を10でわっても求められます。
このほか模試の解説では、相対度数と度数を取り違える、おうぎ形の弧の長さと面積の公式を取り違える、2つのさいころの(2,6)と(6,2)を同じ出方として数える、といったつまずきも挙げています。
見直しの手順は「符号→かっこ→確かめ」
見直しは、毎回同じ順番で行うと速く正確になります。成績UPラボでは次の順をすすめています。
- 符号:−の数の累乗、かっこの前の−、移項したときの符号
- かっこ:分配法則で全部の項にかけたか、分子をかっこでくくったか
- 確かめ:方程式・連立方程式は、答えをもとの式に代入する
- 答えの形:約分したか、問われた文字について解いたか、「小数で」などの指示どおりか
- 単位:時間・長さを直したか(分→時間、cm→m→km)
全部の問題をはじめから解き直す時間はありません。式の変形が多い計算と方程式を中心に、上の順で目を通します。
1次の時間配分
本ブログの目安は「1問1分半+見直し5分」です(公式の数値ではありません)。30問×1分半で45分、残りの5分を見直しに使います。
| まとまり | 目安の時間 | ポイント |
|---|---|---|
| 前半の計算・方程式(約14問) | 約21分 | 途中式を問題用紙に書き、暗算しすぎない |
| 後半の小問(約16問) | 約24分 | 3分考えて分からなければ印をつけて次へ |
| 見直し | 約5分 | 印の問題と、上の「符号→かっこ→確かめ」 |
問題の並び方は回によって変わるので、表の問題数は成績UPラボの模試の配置をもとにした目安です。前半の計算で時間を使いすぎないことが、後半の小問を落とさないコツです。
1次の点を伸ばす練習法
- 毎日10問、時間をはかる:小6の分数、正負の数、文字式、方程式をまぜて10問。1問1分半を体に覚えさせます。
- ×の原因を分ける:計算ミス・符号ミスなのか、解き方を知らなかったのかで、やることが変わります。
- 暗算しすぎない:速く解こうとして途中式を省くと、符号ミスが増えます。問題用紙の余白に1行ずつ式を書くほうが、結果として速く正確になります。
- ×の問題は3回:解説を読む→何も見ずに解き直す→翌日もう一度。模試のチェックシートでもこの3回セットをすすめています。
計算ミスは「不注意」ではなく、くせです。同じところで同じミスをしていることがほとんどなので、×の問題を並べて見ると、自分のくせが見えてきます。くせが分かれば、見直しで見る場所がしぼれます。
1次の計算力は、2次の文章題を解くときの土台にもなります。2次の答案の書き方は2次(数理技能)対策の記事へ。過去問で1次の練習をするときの解き直し方は過去問の使い方で、勉強全体の順番は勉強法の記事で紹介しています。
上の6つの例題を、答えを見ずに解いてみましょう。×だったものは、ミスの種類(符号・かっこ・単位など)をノートに書き、明日の計算10問で同じ形を3問解いてください。
次に読むおすすめ記事
数検4級のよくある質問
数検4級の1次は何分ですか?
1次(計算技能検定)は30問・50分です。60分なのは2次(数理技能検定)なので、取り違えないようにしましょう。
1次で電卓は使えますか?
4級の1次では電卓を使えません。電卓を使えるのは2次だけです。
1次は何問正解すれば合格ですか?
公式の合格基準は全問題の70%程度です。30問に当てはめると、目安はおよそ21問になります。
計算ミスを減らすにはどうすればいいですか?
見直しの順番(符号→かっこ→確かめ)を決め、毎回同じ順で確かめます。×の問題を並べて、自分がどこでミスをしやすいかを知ることも大切です。
出典
数検4級の概要(日本数学検定協会)
検定概要・電卓について(日本数学検定協会)
検定基準(抄)PDF(日本数学検定協会)
(2026年11月1日確認)



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