学習塾成績UPラボ

確実に成績UPを叶えます

学力を上げる3つの重要な家庭環境とは?

アメリカなどの海外では、数多くの研究や実験で、学力と相関関係のある要素についてのテーマが取り上げられてきました。ようやく日本でも、学力データがオープンになったことで、学力に関係する色々な要素が明らかになってきました。そこで今回は、2018年3月にお茶ノ水大学から発表された「保護者に対する調査の結果と学力等との関係の 専門的な分析に関する調査研究」の第2章の「家庭環境と子供の学力」をご紹介します!

平成29年度の保護者調査を元に、調査・分析したのが、今回の研究です。研究概要は下記の通りです。

研究概要
・対象:公立学校の生徒および保護者、学校
・調査期間:平成29年5月

 

また、有効回答数では、小学生の保護者:55,167名(回収率:91.7%)、中学生の保護者:67,309名(回収率:86.9%)、小学校数:1,153校(回収率:97.2%)、中学校数:692校(回収率:86.6%)となりました。

このデータを元に、家庭環境の背景を数値化しました。なお、この数値化は、「家庭の収入」、「父親の学歴」、「母親の学歴」を元にスコア化されたもので、4つの区分に分けられた。

家庭環境の分類
・Lowest SES
・Lower middle
・Upper middle
・Highest

上記の条件を元に、研究がまとめられています。

中学生で一番学力が高いのは⁈

これまで、国内外の研究でも明らかになっているように、世帯年収が高いとその家庭の子供の学力は高くなる傾向にあることは、多くの研究者の間でも知られてきました。

この論文でも、同様に世帯年収と子供の学力の相関関係について調査・分析されました。そこで明らかになったのは、世帯年収は高ければ高いほど学力がいいというわけではないという驚きの結果でした。

世帯年収と小学生の学力の相関

確かに、小6については、「国語A・B」と「数学A・B」共に、年収が高ければ高いほど学力が上がっていくことがわかりました。これは、弊塾や筆者のこれまでの経験から言えることですが、どんなに優秀な生徒でも、小学校は公立に通う子が多いです。特に、東京都以外の道府県。

世帯年収が高ければ高いほど、公立の小学校では、中学受験をする生徒が多く、そのため、世帯年収が高ければ高いほど、中学受験のために進学塾に通う傾向があり、世帯年収と子供の学力は比例の関係にあると考えられるんだと思います。

世帯年収と中学生の学力の相関

驚きは、中3の学力は、世帯年収が高ければ高いほど良いというわけではないということです。調査では、世帯年収が1500万円以上の家庭の生徒よりも1,200万円〜1,500万円の生徒の方が、学力が高いということがわかりました。

これは、あくまでも、個人的な見解ですが、1,500万円以上の生徒の中には、私立中学を受験したけれど、残念ながら不合格になってしまった生徒も多く、その場合、公立中学に進学後、モチベーションが上がらず、成績が低迷する生徒も数多くいるのも確かです。この場合、保護者が経営者や医師、スポーツ選手などの生徒も多かったです。

その一方で、1,200万円〜1,500万円の世帯年収の家庭の保護者は、両親がそれなりに年収を稼いでいる会社員であることが多く、中学受験を考える小学3〜4年生の時の年収よりも地位や役職が上がったり、転職して、年収を上げていたりすることが多いように思います。

このことから、あくまでも個人的な見解ですが、世帯年収1,500万円以上の家庭の生徒は、これまでに学校外での教育を受けていることが多く、学力の素地はあるが、中学受験で失敗している生徒などもいることもある。その一方で、中学受験はしていないが、それなりの世帯年収があることで、学校外の教育を受けている生徒が多く、勉強へのモチベーションを維持することができていることがありえるのかなと思います。

ポイント世帯年収が高ければ高いほど子供の学力は高い傾向にある。

 

学力の高い子供の保護者が心掛けている言動・行動とは

今回の論文の対象としている「保護者調査の分析」は、平成25年にも実施されており、その際に、各保護者に、様々な質問・アンケートを実施しました。その結果、平成25年と平成29年に実施した「保護者調査の分析」で学力の高い生徒の保護者に共通する「保護者の言動と行動」が下記のようになりました。

学力の高い子供の保護者が心掛けている言動・行動
学校外教育支出が多い
子供が決まった時刻に起きるよう(起こすよう)にしている
子供を決まった時刻に寝かせるようにしている
毎日子供に朝食を食べさせている
子供のよいところをほめる等して自信を持たせるようにしている
子供に本や新聞を読むようにすすめている
子供と読んだ本の感想を話し合ったりしている
子供が小さいころ,絵本の読み聞かせをした
計画的に勉強するようにうながしている
子供が英語や外国の文化に触れるよう意識している
子供と一緒に美術館や劇場に行く
子供と一緒に博物館や科学館に行く
子供と一緒に図書館に行く
テレビゲーム(コンピュータゲーム,携帯式のゲームを含む)で遊ぶ時間を限定している(または,「持たせていない」)
携帯電話やスマートフォンの使い方についてルールや約束をつくっている(または,「持たせていない」)
子供に高い学歴を期待する
自分の意見をはっきり言えるようになることを重視する
(保護者が)学校の教育目標やその達成に向けた方策を知っている
(保護者が)学校や学級の教育活動に関する情報提供(学校のホームページ,学校だよりや学級だより等)は役に立っていると感じている
(保護者が)地域には,ボランティアで学校を支援する等,地域の子供たちの教育に関わってくれる人が多いと思っている
(保護者が)規則正しい生活を心がけている
(保護者が)地域や社会で起こっている問題や課題,出来事に関心がある
(保護者が)テレビやインターネットで政治経済や社会問題に関するニュースを見る
(保護者が)新聞の政治経済や社会問題に関する記事を読む

上記の結果を見てみると、学力の高い子供の保護者が心掛けている言動・行動には、「子供に対して心掛けている言動・行動」と「保護者自身が心掛けている言動・行動」の二つに分けられます。それぞれを少し見てみましょう。

子供に対して心掛けて言動・行動

子供に対して心掛けている内容を分けると、下記のようになるかなと思います。

1.規則正しい生活習慣
2.経験・体験を大切にし、知的好奇心を高める行動が多い
3.想像力・読解力・情報収集力を高め、自己発信力を高める
4.制約条件を付ける

 

上記のようにまとめてみると、子供だけでなく、大人でも心掛けておきたい内容のように思います。規則正しい生活習慣は、夜寝る時間と朝起きる時間を一定することや朝ごはんの習慣をつけること。

経験・体験を大切にして、知的好奇心を高める行動に至っても、様々なサービスを受けたり、注目されている場所に行ってみることで、仕事に生かされてることも多くあります。

また、想像力・読解力・情報収集力を高めて、自己発信することも大人が仕事において、常にしなければならないことです。

そして、制約条件を付けることに関しては、例えば、あるプロジェクトを企画し、実行する上で、予算(バジェット)と言う制約条件は必ず課されるはずです。

要するに、仕事で結果を出す上で、必要な要素とも言えるわけですね。ちなみに、「子供のよいところをほめる等して自信を持たせるようにしている」の「子供」を「部下」に直して考えてみると、子供を褒めることができているもしくは意識している人は、会社でも、自分の部下にそれができている可能性は、そうでない人に比べて、高いのではないかなと言うのも容易に想像することはできるのではないでしょうか?

大人に対して心掛けて言動・行動

子供に対して心掛けている言動・行動を4つにまとめたことを、保護者ご自身で実践しているような内容になっています。特に、学力の高い保護者が意識しているのは、「情報収集」かなと思います。

社会的な流れやニュースだけでなく、学校や学級の活動の情報についても理解しています。このことから、自分だけ出なく、子供に有益な情報に関しても情報収集しているのかもしれませんね。

ポイント学力の高い子供の保護者は、子供にも自分にも「規則正しい生活習慣」「情報収集」「経験・体験を大切にする」傾向がある。

家にある本の数が学力に比例する⁈

次に、家にある本の数と学力の相関関係についてです。これは、この他の研究でも、明らかにされていますが、今回は、日本の小6と中3で行われたものです。なお、電子書籍は含むが,漫画や雑誌,教科書,参考書,子供向けの本は除くものとして、蔵書数をカウントしています。

小6中3
国語A国語B算数A算数B%国語A国語B数学A数学B%
0〜10冊69.650.2 72.4 38.723.7 70.463.155.040.022.2
11~25冊73.555.277.043.622.375.669.862.045.522.7
26~100冊76.659.980.748.134.279.775.367.850.436.1
101冊~200冊 78.963.983.852.89.682.478.571.854.39.7
201冊~500冊81.066.886.256.75.884.581.174.957.95.3
501冊以上82.568.387.258.22.585.481.275.758.62.4
不明72.554.676.343.62.073.767.759.143.61.5

 

上の表を見てもわかるかと思いますが、蔵書数が増えれば増えるほど、学力の平均値が高くなっています。また、次の表は、子供向けの本を調査しました。なお、電子書籍は含むが,漫画や雑誌,教科書,参考書は除きました。

小6中3
国語A国語B算数A算数B%国語A国語B数学A数学B%
0〜10冊69.049.472.038.122.472.365.757.542.031.6
11~25冊73.555.476.943.626.776.971.764.147.127.5
26~50冊76.759.880.848.126.780.375.868.551.223.0
51冊~100冊 79.063.883.652.315.582.778.972.054.811.4
101以上冊82.468.387.157.97.285.482.076.058.75.2
不明71.754.075.243.41.572.766.457.842.91.3

 

この場合でも、やはり、子供向けの蔵書数が多ければ多いほど、学力の平均値が高いことがわかっています。実は、このことを成績UPラボでも入塾前にヒアリングさせていただいておりますので、参考にしてみてください。

ポイント学力の高い生徒の家庭は、蔵書数が多い

 

最後に

上記の内容からもわかりますし、この他の研究からもわかっていますが、学力は、学校というより「家庭」に起因することが多いことが言われています。参考にしてみてください。

参考研究:保護者に対する調査の結果と学力等との関係の 専門的な分析に関する調査研究

コメントはこちら

*
*
* (公開されません)

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください