中学生や高校生のみなさんは、普段、テスト前の勉強をする前に、「勉強計画」を立てていますか?計画を立てていても、なかなか実行できていない人も多いはず。もしかしたら、もう少し、脳の働きが活発化する時間を意識して、計画を立てるとその問題は、解決するかもしれません。そこで、今回は、「時間と脳の働き」について、ご紹介します!
脳の活発になるゴールデンタイムとは⁈
朝起きてから、3時間は、ゴールデンタイムってご存知ですか?これは、脳科学者の茂木健一郎さんがおっしゃっていることです。人間は、多くの情報を目や耳から習得しています。その情報は一旦、海馬という脳の部分に蓄積されますが、睡眠を取ることで、長期記憶として、記憶されます。そして、起きた時には、脳がクリアになった状態になります。
私たちは日中の活動を通して、目や耳からさまざまな情報を得ています。その情報は大脳辺縁系の一部である海馬に集められ、短期記憶として一時的に保管されます。その後に、大脳皮質の側頭連合野に運ばれますが、この段階では記憶は蓄積されているだけです。
それが睡眠をとることで、記憶が整理され長期記憶へと変わります。すると朝の脳は前日の記憶がリセットされるため、新しい記憶を収納したり、創造性を発揮することに適した状態になります。この脳の仕組みが、朝の時間がゴールデンタイムだと言われる理由です。
(THE 21「脳科学者が勧める『朝時間』の使い方」)
そのため、脳がクリアになっている起床後3時間で、集中して、理解する科目(特に、数学・理科)をすることをおすすめします。また、応用問題や発展問題などの難易度の高い問題にチャレンジするのも良いでしょう。
起床後の3時間は、理系科目(数学・理科)もしくは、難易度の高い応用問題や発展問題をやろう!
もし、寝てすぐで、頭が働かない場合は、数学の計算問題や英文の音読などで、手や口を動かしながら、頭をほぐしていくのもいいかもしれません。
昼食後は寝るべし⁈昼寝の後に猛烈勉強を!
昼食後、特に、1時〜3時は、みなさん、眠たくなるのではないでしょうか?でも、実は、この時間帯は、体や心が一番活発にすごく時間なんです。では、そんな眠気のピークが来る「1時〜3時」をどう乗り越えればいいのでしょうか?
実は、とても簡単なんです。それは、「20分〜30分程度の睡眠」をすることです。「え⁈」と思うかもしれませんが、実際に昼食後の昼寝を導入している学校が福岡県にあります。それは、以前、「林先生が驚く初耳学(TBS系列)」でも紹介された福岡県の明善高校です。
「午睡」という名前で、積極的に、昼食後の仮眠を推奨しています。その結果、東大合格者数も2倍になるなど、成果も出ているようです。
この取り組みに対して、林先生もかなり絶賛しており、このような仮眠の取り組みは、全国的にも広がってきているようです。しかし、30分以上寝てしまうと、頭を通常の状態に戻すのが難しいので、仮眠を取る前に、「コーヒー」などのカフェインが含まれているものを摂取するのがおすすめです。
昼食後の20〜30分間の昼寝は積極的に!その前に、コーヒーなどのカフェインを摂取しておこう!
昼寝が終わった後は、きっと頭もスッキリしていると思うので、午後は、英語や国語などの長文読解や難易度の高い問題を積極的にやるようにしましょう。
昼寝後の勉強は、英語や国語の長文読解や論文の記述、難易度の高い問題に取り組みましょう!
空腹時はとにかく「暗記」!
夕方になると、もちろんですが、お腹が空いてくると思います。そんなとき、ちょっと我慢して、「暗記」科目を積極的にやってみてください。実際に、イエール大学のホーバス博士という人が、胃が空腹状態の時に放出される「グレリン」という物質が、記憶に強く働く「海馬」に強く働くということを提唱しました。この「グレリン」が海馬に行くと、シナプスが30%程度増加して、より暗記がしやすくなるようです。
お腹が空いて、おやつを食べる前に、10分でも15分でもいいから「暗記」をしよう!
最後に
計画がなかなか実現しないのに悩んでいる人は、少し、「時間と脳の働き」を意識してみてはいかがでしょうか?