定期テストが終わってみると、「勉強した甲斐あって成績が上がる生徒」と「勉強したのに成績が上がらない生徒」が出てきます。では、この差は何なのでしょうか?
勉強したのに成果が出ない訳とは?
定期テストで、これまで以上に勉強したのに、全然成績が上がらなかったという生徒は、これまでも数多く見てきました。では、その原因は何なのでしょうか?
答えは、「流暢性の幻想」と呼ばれる状態に陥ってしまっているという可能性です。この「流暢性の幻想」とは、例えば、覚えたばかりもしくは授業を受けた直後に覚えているかどうかの確認して、見事全問正解をすると、勝手に、「この単元大丈夫!」と思い込んでしまうことです。
では、何故これが、「勉強したのに成果が出ない理由」になるかというと、それはテストの性格に紐づきます。というのも、テストは習った順番に問題が出てくる訳ではありません。むしろ、習った順番や難易度すらごちゃ混ぜになって出てくることさえ、あり得ます。
しかし、覚えたばかりや授業を受けた直後に、同様の単元の問題を解いてみて、正解した場合、「この単元はいける!」と思い込んでしまうということで、ごちゃ混ぜにされたり、難易度を変えられた場合の想定をせずに、「勝手に出来たふり」をしてしまいます。要するいに、流暢性の幻想というのは、「自分が出来ていない」という軽度な苦境に直面していない状況と言える訳ですね。
そのため、ごちゃ混ぜにされたテストの問題に対応することが出来ずに、「勉強したのに成績が上がらない・・・」となってしまうのです。
流暢性の幻想に陥りがちな生徒
流暢性の幻想に陥りがちな生徒について、ご紹介していこうと思います。
1.マーカーで線を引く・赤シートで暗記する生徒
よくマーカーで線を引いたり、赤シートで暗記する生徒がいますが、これは、流暢性の幻想に陥りやすい生徒の特徴の一つです。それは、「マーカーを引くことや赤シートで単語や出来事などを隠すという行為=勉強」となり、しかも、問題を解いている訳ではないため、先ほどの「自分が出来ていない」という可能性すら念頭に入ってきません。
2.中途半端に成績が良い生徒
これは、これまでに何千と見てきて感じることなのですが、中途半端に勉強が出来ると、「自分を否定したくない」という感情が常に湧いていて、出来ない問題にトライしたり、間違えていることを間違えていると認知しない傾向が非常に強いです。
3.インプット過多な生徒
先ほどのマーカーで線を引くことが勉強になってしまっている生徒と似ていますが、「インプット過多」な生徒もまた、自分が間違っているという認知を持たないため、なかなか成績が上がりにくいのが特徴です。また、暗記科目に関しては、インプットよりもアウトプットすることが非常に重要になります。
暗記の要素が詰まっている記事はこちら
4.ストレス耐性が低い生徒
上記の1〜3の特徴の生徒の多くに共通することですが、間違えを恐れていることが多く、「自分で自分を間違えた問題を通して否定し、自己解決する力」が弱い傾向にあります。これによって、不安な単元の問題にとりかかれずに、そのままになってしまっている生徒も多くありません。
流暢性の幻想に陥らないためには?
流暢性の幻想に陥らないための勉強方法をご紹介します。
1.【暗記科目】アウトプット中心の勉強方法に切り替える
暗記科目であれば、今すぐにでも勉強方法の見直しをして欲しいのですが、インプット中心の勉強方法ではなく、アウトプット中心の勉強方法にすることをおすすめします。その比率は、インプットが3割に対して、アウトプットは7割くらいで良いので、なるべく覚えるのではなく、思い出すことに注力するようにしましょう。
2.【理数系科目】インターリーブ勉強の導入
インターリーブとは、成績UPラボでは、ランダム力と言っていますが、無秩序に、これまで習ってきた問題を解いてみることです。これによって、ランダムに問題が並べられているテストに対応する力が養われます。例えば、高校生であれば、チャート式の問題をバラして、毎日、シャッフルして、引いたページの問題を解くなどです。
まとめ
・流暢性の幻想に陥らないために、「アウトプット重視」と「インターリーブ勉強」を行おう