集団塾と個別指導塾どっちを選ぶ?
集団塾を選ぶ上で知っておきたいポイント
「理解力」の有無が鍵
そもそも集団授業は、年間で決められた計画で授業が進むので、もし理解が出来ていないところがあったとしても、授業は計画に沿って進んで行きます。そのため、授業で前に戻る時間がなく、理解が追いつかない生徒は、どんどん置いて行かれることになります。
一方で、順調に理解できる生徒(=つまり成績上位を取っているような生徒)にとっては、非常に有意義な時間になるかと思います。特に、レベルが高いクラスで理解しながら、進めることが出来る生徒は尚更、有意義な時間となります。
ただし、注意が必要なのが、「国語」が苦手な生徒です。国語の集団授業を受け続け、宿題をたくさん出されて、ただそれをこなすだけになるだけで、成績が上がらないことが多いです。その場合は、国語に強い個別指導を探すか、国語のテクニックが綿密に書かれている教材で勉強するようにしてください。
理解力が高い生徒(成績上位生徒)は集団塾を選ぶべし!
成績が上がらないなどの「課題解決」はご自身で
集団授業のメリットは、均一なコンテンツをより多くの人に届ける点にあります。そのため、サービスすなわち「指導の均一性」が価値となるので、生徒が抱える課題解決はあまり当てにしないほうが良いでしょう。
中には、一人一人の課題に向き合おうとするいい指導者もいるかもしれません。しかし、サービスの骨格としては、「より多くの生徒に授業というコンテンツを提供する」かが集団のコアな部分なので、そこを期待するのは過度な期待と考えたほうが良いです。
実際の話で、「先生にわからない問題を聞きに行ったところ、長時間待たされた挙句に、時間がなく聞けなかった」って話もあるくらいです。
集団塾のメリットはあくまでも均一化された授業を多くの生徒に提供すること。
→生徒個人の課題解決まで期待するのは過度な期待は危険!
本当に気をつけたい落とし穴
集団授業で気をつけたいのが、生徒の学力に「テキスト」が合っていないということです。ある研究で、生徒の成績が伸びる問題集の特徴として、生徒の正答率が7〜8割程度のテキストが良いという結果が出ています。
しかし、集団授業の場合、コースやクラスでテキスト・問題集が決められてしまっており、そのレベルが合っていないと自分で進めることも非常に難しい状況になり、ただ通塾するだけという事態になってしまいます。
実体験として、首都圏を展開しているR塾に通塾していた生徒が、なかなか成績が上がらないということで、転塾されてきました。そこで、実際の学力を測ったところ5教科の偏差値が41だったのですが、その塾で使用していたテキストが「発展編」だったということがありました。
集団授業は、特にテキストが学力に合っているのかを常に確認すべし!
次は、個別指導の塾を選ぶ上で知っておきたいポイントについてご紹介します。
個別指導を選ぶ上で知っておきたいポイント
メソッドの確立
多くの個別指導塾では、科学的な根拠に基づいた学習メソッドを持っていないことが多いです。効率よく暗記する方法が確立していないため、「勉強時間を増やす」ことを強く勧めることがあります。また、数学のケアレスミスに対しての対応策も、「ちゃんと見直しをする」などと抽象的な表現に終始するケースが多く見られます。
そこで、メソッドが確立しているのかを確認するための簡単な質問を下記に記載しておきますので、お問い合わせの時や新規面談の時にお使いください。
【メソッドがあるかどうかを確認する質問】
・「効率的な暗記方法ってありますか?」
・「計算ミスなどが多いんですが、どうやったら治りますか?」
・「国語が出来ないんですが、たくさん本を読ませれば、出来るようになりますか?」
この3点を聞いて、確認していただきたいポイントがあります。それは、「何故、出来ないのか」の理由に言及した上で、対応策を述べているのかということです。
そもそも教育は、「科学」です。学習は、脳や心理に根拠を持つ科学なんです。それにも関わらず、最初に「勉強時間」を増やすことを勧めたり、「出来ない理由や仮説」を明らかにしないのであれば、学習塾側の勉強不足です。
先ほども記載しましたが、集団授業のメリットは均一化された授業を多くの生徒が受けることが出来ることである一方で、生徒個々人の課題解決にまで手が回らないというデメリットがあります。その一方で、個人を指導する個別指導塾が持ちうるメリットは、個別の課題に向き合えることです。
この課題は多種多様なので、指導者側は様々な引き出しを持っておかなければなりません。そのためには、学術研究や脳の仕組みを理解して置く必要があり、それを理解しているかを判断する意味でも、上記の質問は有効かと思います。
指導メソッドが理論的に確立しているかを確認すべし!
生徒数
生徒数が多いかどうかは確認したほうが良いでしょう。これまで数校の個別指導塾経営に携わってみて、生徒数が30人後半くらいから全体の成績UPの鈍化が顕著に見られます。
その理由は、校舎長による生徒の実態把握が行き届かなくなるからです。仮に、平日5日間で1日あたり3コマの授業を行うとします。その場合、合計で15コマの授業枠があります。
その上で、生徒が週2コマを受講すると考え、生徒数30人と50人で考えてみることにしましょう。まず生徒数30人の場合ですが、生徒全員が消化する授業回数は合計で60回となります。その場合、1コマの授業に、4人が受講するという計算になります。
それに対して、生徒数が50人の場合、生徒全員が消化する授業回数は合計で100回となります。その場合、1コマの授業で受講する生徒は7人となります。
ここで考えたいのが、授業の全体をマネジメントする人間が、授業前と授業中に生徒の理解度を踏まえて、授業の指示(ディレクション)が出せるかということです。
実際、多くの学習塾では、授業の間の休憩は10分というのが、多いかと思います。しかし、生徒数が50名の場合、1コマに7名となると指示を出す時間がなくなります。その一方で4名であれば、一人当たり平均2分30秒の指示時間があるので、比較的、指示する時間は取れるかと思います。
ですので、出来れば少数精鋭で学習塾がおすすめです。ただし、指導メソッドが理論的に確立していることが確認出来ていることが前提ですが・・・。
生徒数が30〜40人程度の学習塾を選ぶべし!
校舎の広さ
さて、校舎の広さも重要なポイントの一つです。広すぎると、コミュニケーションに支障が出る可能性があるからです。ちょっと面白い研究があるんですが、アメリカでコワーキングスペースについての調査・研究があります。その研究では、100平方メートル以上のスペースでは、会話が生まれづらいことが明らかになっています。
要するに、校舎が広すぎると「講師や校舎運営側との会話」が行われづらくなる可能性があります。そのため、成績を上げたいから塾を変えたり、塾を選ぶ場合は、校舎スペースがなるべく狭いところをおすすめします。
成績を上げたいなら「狭い校舎」を選ぶべし!
自習室は必要ですか?
結論は、「不要」です。その理由は下記の通りです。
1.自習室があっても勉強量は増えない
中高生の子供を持つ保護者が思い違いをしているのが、「自習室がある=勉強するようになる」と言うことです。
ただ、残念ながら、現実的には自習室があったとしても、勉強時間が増えることはあまり期待しない方がいいです。これまで、勉強する習慣がなかった生徒が「自習室」のある塾に通ったからと行って、今までの勉強しない習慣が抜本的に改善される訳ではありません。
もし勉強量を増やしたいのであれば、早めに塾に行って「授業前」に自習するようにするなど、授業の前後の自習を少しでも増やす方が建設的かと思います。
2.自習室での講師による指導は期待しない
また、自習室は、あくまでも自習のためのスペースですので、講師や先生が教えてくれるという期待も持たない方が良いでしょう。特に、自習室と授業スペースが離れている場合は、講師が授業中に教えている生徒から離れて、指導しに来るというのは、ビジネス倫理上も健全ではないですし、時間という物理的にも無理が生じます。
このことからも、自習室での講師による継続的な指導を期待するのは、難しいでしょう。
3.自習室=睡眠スペース
これまで勉強の習慣がなかった生徒が自習室で勉強しようとすると陥るのが、「睡眠学習」です。残念ですが、肌感覚ですが、7〜8割の生徒が自習室で睡眠しています。
家で勉強しないなら・・・・
もし、家で勉強しないというのであれば、自習室ではなく、使用していない授業スペースの机で自習が出来る塾に通塾するのをおすすめします。授業スペースで自習すると、手が空いた講師に質問する機会が増えるので、自習室での勉強よりは良いかと思います。
実際、弊塾はそれを実践し、9割の生徒が成績UPを実現してます。
では、最後に成績を伸ばすのに、良い塾かどうかを見分ける際の方法についてご紹介します。
良い塾かどうかを簡単に見分ける方法
綺麗な校舎
建物の築年数はどうであれば、綺麗な校舎が保たれているかどうかをチェックしておきましょう。特に、チェックしておきたいポイントは下記の通りです。
① 掃除が行き届いている
(特に、教室の四隅まで掃除されているか。窓拭きがされているか。入り口にゴミがないか。)
② スタッフや社員の机の上が整理整頓されている
③ 本棚が綺麗に整理整頓されている
上記は、これまでの経験から良い塾(成績が伸びている生徒が多い塾)に見られる共通点でした。
「① 掃除が行き届いている」で特に大事なポイントは、窓拭きがされているかどうかです。外まで気が回っている教室は、教室長がよく気が利くケースが多いです。
一方で、窓拭きはもちろんのこと、入り口が汚れている(もしくは、傘立てが乱雑)のような教室は、教室長が気が利かず、全体のことが見れていないことが多いです。そういう教室長だと、生徒の成績を把握していなかったり、各学校のテスト範囲まで把握が追いついていない場合が多いので、注意してください。
綺麗に整理整頓された教室かどうかで、「教室長の器」がわかる!
(個別指導対象)教材の選び方
塾を探す時に、必ず聞いた方が良いのが「教材」をどうやって選んでいるのかということです。要するに、生徒のどのポイントを見て、どんなテキストを選んでいるのかということを聞いた方が良いということです。
ここからわかることは、その塾の「観察眼」の有無です。
おそらくですが、多くの塾は「学力レベル」によって、教材を選んでいると思います。しかし、それだけでなく、成績を伸ばしてくれる良い塾は、生徒の性格も鑑みて、テキストを選んでいます。例えば、挑戦心が豊かな生徒には、やや応用問題が多いテキストを選んだり、もしくは、慎重さが持ち味の生徒には、難易度のバランスが良いテキストを選ぶなどです。
その性格を理解するには、一定の授業回数が必要です。そのため、一定の授業を実施した後に、教材を決定するような塾であれば、良い塾の可能性が高いかと思います。
生徒をよく見て、その生徒にあった教材を選ぶという「観察眼」を基盤とした「教材選び」をしている塾はおすすめです!