勉強をしていて、かなり難解な問題に直面した時に、「ひらめき」ができるか出来ないか正解への分かれ道だったりすることはよくあることです。では、この「ひらめき」は、どのようにして起こるのでしょうか?
ひらめきの科学を追求したウォーラス
ロンドン・スクール・エコノミクスの創設者の一人でもあるウォーラスは、優れた洞察力(ここでは、課題に対してのひらめき)を持つ人の思考プロセスについて、晩年、追求するようになりました。
そのウォーラスが引用する「難解な問題を解決してきた人」の話には、いくつかの共通点がありました。例えば、ドイツの物理学者ヘルマンは、こんなことを言っています。
精神的に疲れている時や、仕事机に向かっているときにそうした考えが浮かんだことは一度もない。浮かびやすいのは、天気のいい日に木々に囲まれた丘をゆっくりと登っている時だ。
要するに、「取り組むべき課題や問題から離れた時」に、「ひらめき」が起こるということです。そこで、ウォーラスは、この「ひらめき」には、どのような段階を経て、起こるのかを考えました。
「ひらめき」の4つの段階
ひらめきには、4つの段階があるとされています。
- 「準備」
- 「孵化」
- 「ひらめき」
- 「検証」
①「準備」は、取り組むべき課題や問題を様々な角度から考え、時間を掛けたが、答えが出ず、行き詰まってしまっている状態です。ここでポイントなのは、色々と考え尽くすということです。この結果、一定の時間を描けることになりますので、しっかりと考え抜こうとするということが大切なようです。
②「孵化」は、これまで必死に取り組んできた課題や問題を一旦、脇に置いておくところから始まります。ただし、それによって、全くこれまでの積み重ねが無駄になるのかというと、そういうことはなく、むしろ、無意識的に、これまでの知識と新しい知識が紐づいていくという見えないところでの知的活動が行われます。
③「ひらめき」は、字のごとく、これまでどうあがいてもわからなかった課題や問題がわかるようになることです。
④「検証」は、そのひらめきによって、導き出された課題や問題を解き直してみて、正しい答えになるのかを確認する作業です。
大切なのは、課題や問題から「離れる」こと
これまで取り組んでいた課題や問題からあえて「離れる」ことが重要だということは、意識的に考えていなくても、無意識的に、答えを導き出そうとしているということなんです。
そこで、ひらめきに繋がるポイントがあるので、ぜひ、問題に行き詰まったら、他の教科を行うか、一度リラックス休憩をするようにするといいかもしれません。
参考文献
「脳が認める勉強法(著:ベネディクト・キャリー)」