「たくさん読んでいるのに、なぜ解けないのか」
東大の現代文と聞くと、
「語彙力が必要そう」「文章量が多くて難しそう」
そんなイメージを持つ方が多いかもしれません。
実際、
- 文章は読めている
- 内容も何となくわかっている
それでも 答案になると点が取れない という生徒は少なくありません。
この記事では、
東大現代文で本当に使われている思考のスキルを整理し、
- なぜ「読解」だけでは足りないのか
- 何ができると答案が変わるのか
を、現場の授業実感をもとに解きほぐしていきます。
よくある誤解|「東大現代文=読解力が高ければ解ける」
一般的に語られがちなのは、
- 正確に読む力が大事
- 言い換え問題に強くなる
- 要約力を鍛える
といった話です。
もちろん、これらは 必要条件 ではあります。
しかし、十分条件ではありません。
実際に、東大の大問1や大問4を授業で扱うと、
多くの生徒が途中までは読めているのに、
- どこを根拠にすべきか迷う
- 答案の方向性が定まらない
- 自分の言葉でまとめきれない
という壁にぶつかります。
ここで浮かび上がるのが、
「読める」と「分析できる」の間にある差です。
成績UPラボの視点|東大現代文は「思考スキルの組み立て問題」
東大現代文を授業で扱っていると、
強く感じることがあります。
人の思考パターンは、実はそれほど多くない
これは、泰山(2014)で提示されている
思考スキル19個という考え方とも重なります。
東大現代文では、
これらの思考スキルを どう組み立てて使えるか が問われています。
特に重要な思考スキル
現場で特に重要だと感じるのは、次のスキル群です。
- 構造化する
└ 文章全体を「役割」で捉える - 理由づける(因果関係を明らかにする)
└ なぜそう言えるのかを言語化する - 比較する・対比する
└ 似ている点/違う点を軸で整理する - 具体化する ⇔ 抽象化する
└ 概念と具体例を行き来する - 分類する・要約する
└ 情報を整理し直す
共通テストで求められる「読解力」は、
これらのスキルの 入り口 にあたります。
しかし、東大現代文では、
読解は「手段」であって「目的」ではない
という点が決定的に違います。
読解の先にあるもの
東大現代文で問われているのは、
- 読んだ内容を どう分析するか
- そこから どう類推するか
- それを 自分の言葉でどう再構成するか
というプロセスです。
共通テストや早稲田の現代文が
「本文に忠実に理解する」ことを重視するのに対し、
東大では、
理解した内容を使って思考できているか が試されます。
今日からできる行動|思考スキルは「意識化」から始まる
家庭でできること
いきなり東大レベルの問題を解く必要はありません。
大切なのは、
- 「今、何をしているのか」を言葉にする
- これは要約しているのか
- 比較しているのか
- 理由を探しているのか
と、思考スキルを意識化することです。
答えが合っているかよりも、
「どう考えたか」を説明させる時間を取ることが有効です。
塾を見るときの視点
塾選びでは、
- 解法を教えているか
- それとも「考え方の型」を扱っているか
を見ることが重要です。
思考スキルを扱わず、
テクニックだけで進む指導では、
東大現代文には対応しきれません。
あえて「やらなくていいこと」
- 難しい評論を量だけ読む
- 解説を読んで「わかった気」になる
これらは、思考スキルが整理されていない段階では
効果が薄くなりがちです。
まとめ|東大現代文は「思考の使い方」を見る試験
東大現代文で一番大切なのは、
どれだけ読めたか、ではなく
どんな思考スキルを、どう組み立てたか
という点です。
思考スキルは、特別な才能ではありません。
整理され、意識され、使われることで初めて力になります。
読解に不安を感じているとしたら、
それは能力不足ではなく、
「考え方の整理」がまだなだけかもしれません。
焦らず、一つずつ構造から見直していくことが、
結果的に最短距離になります。
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